
出雲大社では「お清めの砂」を授かる風習があり、縁結びや厄除けのご利益があるといわれます。
しかし「どこでもらえるの?」「持ち帰り方は?」と疑問に思う人も多いでしょう。実は、この砂は誰でも自由にもらえるのですが、正しい場所と手順があります。
この記事では、出雲大社の砂をいただく場所(素鵞社)から、入れ物の準備、持ち帰る際のマナーまでを、初めての方にもわかりやすく解説します。
出雲大社のお清めの砂はどこでもらえる?
素鵞社の床縁下
出雲大社のお清めの砂をいただけるのは、本殿裏手にある素鵞社(そがのやしろ)です。
社のすぐ裏手には、御神体である八雲山(やくもやま)の岩肌が面しており、神聖な気に包まれています。ここはスサノオノミコトを祀る社で、強い浄化の力が宿るといわれています。
【出雲大社の砂のいただき方】
- まず、出雲大社から徒歩約15分の「稲佐の浜(いなさのはま)」で砂を一握り取ります。
この浜は国譲り神話の舞台とされ、夕日の名所としても知られる神聖な海岸です。 - その砂を持って出雲大社の素鵞社に向かい、社殿の右側へ回ります。
素鵞社の床縁下には、右方・左方・後方の3ヵ所に「御砂」が用意されており、そこで砂を交換します。混み合っているときは、左方にまわると比較的空いています。
また、どうしても時間がない場合は、素鵞社への参道わきに設けられた「お急ぎの方へ」という場所でも御砂をいただくことができます。
この交換が「浄化とご縁を結ぶ」儀式とされており、ただの砂ではなく神聖な力を宿したものになるのです。
稲佐の浜
砂をいただくときの手順とマナー
素鵞社では、社殿の下や側面に「お清めの砂」が入った箱が設けられています。砂を取る際には、次のマナーを守りましょう。
- 備え付けのハンドシャベル(スコップ)を使う
- 砂はほんの少しだけ(家族分・自分の分程度)
- 写真撮影や他の参拝者の迷惑になる行動は避ける
また、混雑時は順番を守り、感謝の気持ちで静かにお参りすることが大切です。雨の日は砂が湿っていることもあるので、袋を二重にして持ち帰ると安心です。
お清めの砂を持ち帰るときの入れ物
砂を持ち帰るために、小瓶やお守り袋を用意しておくと便利です。100円ショップのミニ瓶やチャック袋でも構いません。小瓶は透明で見た目も可愛く、SNSでも人気です。
出雲大社の門前町や境内のおみやげ店では、お清め砂専用の小袋や瓶を販売していることもあります。現地調達もできますが、混雑時は売り切れる場合もあるため、できれば持参がおすすめです。
湿気を防ぐため、乾燥剤を入れる・袋を二重にするなどの工夫をすると、長くきれいに保てます。

自宅に持ち帰ったあとの扱い方
授かった砂は、家に帰ってから玄関や神棚などの清らかな場所に置くと良いとされています。特に玄関は「邪気を防ぐ場所」といわれるため、少量を小皿や袋に入れて飾る人が多いです。
ただし、実際の使い方や撒き方、効果などについては少し奥が深いため、次の記事「出雲大社のお清めの砂の正しい使い方と効果」で詳しく紹介します。
まとめ|感謝を込めて砂を授かろう
出雲大社の砂は「持ち帰る」ものではなく、「神様から授かる」神聖なものです。
これは出雲の神々とのご縁を象徴するものであり、古くから人々が感謝の気持ちを込めて大切にしてきました。正しい順序で稲佐の浜から素鵞社へと進み、静かな心でいただくことが大切です。
神聖な砂を手にすると、自然と心が整い、日常の中にも清らかな気配を感じられるでしょう。
さらに、入れ物や扱い方を丁寧に準備すれば、出雲のご縁を長く感じられるお守りとなり、訪れた日の記憶とともに、清めの力が日々を見守ってくれます。
【関連記事】

